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井上慎一 起業家 Peach・Aviation株式会社

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飛行機での移動はお金がかかる、それが日本人の常識でした。しかし、LCCが登場し、安い値段で飛行機に乗れ、旅行ができるようになっています。そのパイオニアとなったのがPeach・Aviation株式会社。2019年10月にバニラエアと経営統合が発表されていますが、長らくPeach・Aviation株式会社で代表取締役CEOを務めてきたのが井上慎一さんです。1958年生まれ、61歳の井上慎一さんは神奈川県藤沢市の出身です。早稲田大学法学部を卒業すると、三菱重工業に就職した井上さん。その後、1990年全日本空輸ANAに入社します。2004年には北京支店総務ディレクターとなり、10支店600人の人事などを担当することになります。


転機が訪れたのは2008年のこと。ANAの社長に呼び出され、LCCを3年で作るよう指示を出されます。当時日本ではLCCはあまり知られていませんでしたが、海外では当たり前になっており、安く飛行機に乗れるというのが特徴です。当然日本にまだLCCはなく、井上さんはこれでキャリアが終わったと悟り、それならば坂本龍馬のように革命を起こそうと開き直ります。LCCの会社の関係者が集まる会議で、井上さんはLCCにおけるレジェンドとされる人物に必死に食らいつき、LCCの話を聞くことに。これは挑戦する価値があると確信するとともに、着陸料の問題などすべてを空港側の問題と捉えていた考え方をそのレジェンドに咎められます。自分でやらない奴に事業の成功はないと言われた井上さん、自らが動き、自らを一人称で語ることを心がけるようにしているそうです。


2011年、Peach・Aviation株式会社が誕生し、ANAなどの支援を受けて動き始めます。2012年には定期便が運行を始め、関西国際空港新千歳空港福岡空港を結ぶ路線を就航させます。その後、長崎やソウル、鹿児島、香港と路線を拡大させ、1年足らずで累計搭乗者数が100万人を超え。わずか半年で200万人となります。2015年には待望の成田、羽田の便も登場し、より便利になり、2016年、営業収入が500億円に迫り、利益も30億円近く出すなど完全に軌道に乗せることに成功します。2019年には同じANA傘下で競合関係にあったバニラエアとの経営統合が行われ、より強固な経営が行えるようになります。


わずか8年、LCCが全くなかった日本で大成功をおさめることになった井上さん。キャリアは終わったと2008年に感じたもののわずか10年で一気に切り拓いてみせており、その割り切り方は多くの起業家が見習うべきと言えるでしょう。